【第11号】今夜もどこかでハシゴ酒 裏神二の歩き方
「神二の夜は静か」なんて思っていたら大間違い。あちこちの酒場を舞台に、のんべえな大人たちが毎晩のように繰り広げる「裏神二」の世界をのぞいてみよう。
神二で呑み歩く大人のみなさんに写真提供をお願いしたところ、3日間で80枚以上も集まりました!
ビール片手に取材開始!
大人の足なら30分ほどで一周できる神宮前二丁目。最寄り駅は複数あるけれど、どこからもちょっと遠い。そんな街のわりにお酒を楽しめる店が多く、編集部が知っているだけで30軒近くもある。その中で、常連たちが呑み歩く「裏神二」なる文化があるという。夜の神二に集い、仲間内でプロポーズを見届ける会もやったらしい。一体、どんな大人たちが、どこで呑んでいるのか? 「裏神二」のメンバーから店を聞き、取材と称してビールを呑み歩きながら探ってみた。
ゴミを出したその足で呑みに行く
まずは、唐揚げや牛煮込みが自慢の「弐万馬力」で腹ごしらえ。その後、立ち呑み屋「海」で呑んでいると、キヨさんという男性がやって来た。神二で呑み歩き歴7年。「夜、マンションにゴミ出して、そのままふらっと呑みに来る」というキヨさんいわく、「この辺はチャラチャラした子が来ないから落ち着いて飲める」そう。「神二は大人の社交場って感じかな。酔って寝てる人の顔に落書きとか大人げないこともするけど、基本はみんな分別のある大人たち。必ずどこかで知り合いに会えるし、毎晩さみしくないですよ(笑)」。キヨさんの言葉どおり、このあと連れて行ってもらった沖縄料理の「あいあい」でも、裏神二の仲間たちが呑んでいた。
明け方の神二でほふく前進
大人といえど、いや大人だからこそ、ハメを外すときもある。バー「けんちゃん」で会った神二在住のキーチクさんもそんなひとりだ。神二でテキーラを10杯以上呑んだ日、「大人なんだから大丈夫よ」と言われひとりで家に向かったが、泥酔して歩けず、夜明け前の神二でほふく前進したという。「自宅の前はさすがに恥ずかしいから歩こうとしたけど、足がもつれちゃって。確実に前に進むため、でんぐり返りして玄関までたどり着きました」。
シラフなら1分半で帰れる距離なのに、すり傷だらけで5時間かけて帰宅。後日、裏神二の大人たちで「飲み過ぎ反省会」をしたそうだ。
度数の強いコブラ酒を3杯も呑み、男気を見せてくれたキヨさん。「需要があればブロマイドをプレゼントしますよ」
はしご酒コミュニティ「神二サーフィン」
そもそも「裏神二」の話を教えてくれたのは、「ふなっちゃん」こと船津昌美さん。神二歴17年のテキスタイルデザイナーだ。「呑み仲間が多いから自分たちは神二の『表』だと思ってたけど、神二新聞にあまり知り合いが出ないから、私達って『裏』の存在?って思ったの(笑)」
神二で呑み歩くことを「神二サーフィン」と呼ぶ船津さん。仕事で疲れた日も、どこかに寄って仲間に会わないと1日を終えた気がしないらしい。「呑み歩いていると、いろんなお店で何回も同じ人に会うことも。自分よりあとから来た人には『今日はどこから来たの?』、先に帰る人には『行ってらっしゃい』と声をかけるのが習慣。神二は老若男女、境目なく自由に行き交う“村”のような存在ですね」
年齢や職種はさまざまだけど、『お酒好き』という共通点でつながる裏神二の大人たち。仲間入りしたければ、ひとりでお店に飛び込むべし。きっと裏神二の村人が声をかけてくれるはずだ。
神二サーフィンのススメ
私にとって「裏神二」と言えばここ、というお店がこちら。裏神二でおなじみのメンバーも紹介しま〜す。
神二のテキスタイルデザイン事務所「F/plot」代表の船津さん。神二で出会った男性と結婚し、披露宴には裏神二の仲間たちを70人ほど呼んだそう。
ある日の神二サーフィン
1軒目/海
2軒目/ブラウンホース
3軒目/けんちゃん
4軒目/時田屋
5軒目/アフターサヤック
【SHOPDATA】
海(神宮前2-23-4/17時〜夜中)
ブラウンホース(神宮前2-17-6/18時〜翌3時)
けんちゃん(神宮前2-19-10/18時〜翌2時)
時田屋(神宮前2-20-11/19〜23時)
アフターサヤック(神宮前2-20-12/21:30〜お客様次第)
じんじん(神宮前2-3-30/19時〜翌2時)
藹藹 あいあい(神宮前2-19-2/18時〜翌2時)
Ebony(神宮前2-23-4/22時〜翌5時)
ポピーズ(神宮前2-20-12/20時〜翌3時)
date.(神宮前2-20-103階/18〜24時)
bonobo(神宮前2-23-4/19時〜翌5時)
公開日:
最終更新日:2018/01/04