神宮前二丁目新聞

渋谷区神宮前二丁目でポット出版が作る、地元限定フリーマガジンのWEBサイト。 編集部が訪ねた神二(じんに)のお店も紹介してます。

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【第17号】神二の店探訪/阪口治療院

“町の駆け込み寺”を目指す
神二生まれ、神二育ちの院長

文=松村小悠夏 写真提供=阪口治療院

神二の東端には「勢揃坂」と名付けられた古道がある。新国立競技場を背に、ゆるやかに蛇行する坂道を登りきると、右手に細い路地が現れる。この路地に3年前、小さな治療院が開業した。院長は阪口誠一さん。神二生まれの神二育ち、千駄谷小学校出身の33歳だ。阪口さんと鍼灸の世界をつないだのは、千小時代に始めたバレーボールだという。
「小4のときにバレー部ができて、都大会にも出たんです。僕らの卒業と同時に無くなっちゃった、幻のクラブなんですけどね」。
その後、阪口さんはバレーボールの強豪校に進学。しかし高校時代、練習中にケガをし治療のため鍼灸院に通った。そのときはまさか自身が鍼灸師になると思っていなかった阪口さんだが、やがて進路選択の時期が近づいてくる。
「高3の夏なのに、何も考えてなかったんです(笑)。でも、自分が治療を受けた経験から、スポーツを楽しむ人の支えになる仕事っていいなと思い、鍼灸の専門学校に通いました」。
開業して3年。「鍼治療を受けたいけど、怖い」という人にはいちばん細い直径0.14ミリの鍼を使ったり、「刺す」のではなく「突っつく」治療をしたりと、一人ひとりに合わせた治療を行う。「突っつくだけでも皮膚がゆるみ、筋肉のこわばりが解けるので凝りの解消になります」。
患者さんと一対一で向き合えるこの仕事が好き、と語る阪口さん。「痛くなったらあそこに行けば大丈夫」と思ってもらえる、“町の駆け込み寺”になることが今の目標だ。

鍼灸は「体だけでなく心も治療する」ことが大切だと話す阪口さん。いちばん痛い箇所はどこか、眠れないなどの悩みはないかを丁寧に聞き出している
常連さんの中には日本フェンシング協会会長の太田雄貴さんも
左が最も太い鍼(0.3mm径)、右が最も細い鍼(0.14mm径)。

CLINIC DATA
もつ鍋 旦過
住所/神宮前2-4-20
電話番号/080-9808-2440
営業時間/月〜金10:00〜13:00、16:00〜19:00、土・祝日10:00〜15:00
メニュー/はり灸・整体コース(50分)4,000円、マッサージ・整体コース(50分)6,000円。初回診療のみいずれも+500円

公開日:
最終更新日:2020/03/02