【第16号】神二の店探訪/眞吉 本館場末店
新人スタッフへの最初の訓えは
「魚の活きの良さに負けるな!!」
文・撮影=松村小悠夏
神二商店街のちょうど中ほどに店を構える「眞吉 本館場末店」は、鮮魚を専門とする居酒屋だ。「毎朝の仕事は、今日のメニュー構成を考えるところから始まります。天候や海の状態によって仕入れの状況も変わるので」と話すのは、店長の中静秀輔さん。
喫茶店を経営していた両親の影響もあり、18歳で調理師専門学校へ進んだ中静さん。しかし卒業後すぐに勤めたのはイタリアン店だったという。「当時は“洋食の方がかっこいい”みたいに思ってたんですよね。でもせっかく海に囲まれて、四季折々の魚が味わえる日本にいるなら、和食の道に進みたいなと。それで10年前から眞吉に勤め始めたんです」。
魚と向き合う毎日は、終わりのない勉強のようなもの。例えば同じ魚でも、刺し身にするか煮付けにするかは、個体差やその日の仕入れ状況によっても変わる。「鮮度が良ければいいというものでもなくてね。例えば、マグロやブリ、クエとかの大きな魚は、鮮度が良すぎると脂の旨味や味が出ないんですよ。下処理をしながら、その日には使わず一晩寝かせるなどの判断をします」。仕入れで毎日やりとりする豊洲の魚市場の人との会話から、新しく学ぶことも未だに多いという。
中静さんがリーダーとして、スタッフに最初に教えることは?と聞くと、「元気に挨拶すること」とシンプルな答えを返してくれた。
「せっかく活きのいい魚を扱っているのに、スタッフに活きが無かったらお客さんもつまらないじゃないですか。真剣に魚と向き合うことと、魚の活きの良さに負けないこと。鮮魚が自慢の店として、うちが心がけていることですね」。
メジマグロを捌く様子を間近で見せてくれた中静さん
サービスで出してくれたメジマグロの中落ち。本マグロの子で、あっさりして食べやすい
刺身7種盛り(980円、3人前)
SHOP DATA
眞吉 本館場末店
住所●神宮前2-19-16
電話番号●03-3401-3917
営業時間●月〜金11:30〜14:00(ランチ)、17:30〜24:00/土16:00〜24:00/日・祝日16:00〜23:00
Web●http://www.shinkichisan.com/
公開日:
最終更新日:2019/12/09