【第14号】神二のお仕事徹底解剖vol.1/クリーニングシマダ
[神二のお仕事徹底解剖vol.1]
クリーニングシマダ
受付から奥は謎に包まれているクリーニング屋さんのお仕事をのぞいてみたい!
そんなわがままを聞いてくれたのは、来年、創業70年を迎える「クリーニングシマダ」。
三代目店主の島田一弘さんとふたりの看板娘に仕事の流れを聞いた。
文=上野絵美 撮影=松村小悠夏
[STEP1]
汚れや素材を見極める「受付」
「衣類を預かるだけ」と思ったら大間違い! その後の作業につながる受付の役割とは?
色やつき方から汚れの原因を推理
衣類を預かったら、まずは傷やシミ、ほつれ、ボタン外れがないか確認。この確認作業は受付のふたりが担当するほか、洗う前にも行うから、三重チェック体制になっている。汚れがあればお客さんに思い当たる原因を聞くが、知らない間についていたというケースも多いそう。そんなときは、シミの色やつき方、服の素材から、汚れの原因を推理する。
預かった衣類の洗い方を判断するのも、受付の仕事だ。洗濯表示が判断材料となるため、「できれば服のタグは切らないでね」とのこと。
「紫は配達用」など、タグの色にはそれぞれ意味がある。「立体仕上」は、たたまずにハンガーにかけて渡すという意味。
衣類につけるタグは預かったらすぐつける。そのまま洗うので、タグも「シミあり」などと書くペンも、水や洗剤で溶けない専用のもの。
受付担当は、店主・一弘さんのお母さんと奥さん。
[STEP2]
ティッシュが破れない!?「洗い」
お店だからこそできるドライクリーニングでの洗濯を拝見。
着物や飾りのある服も洗える「ドライ」
家庭用洗濯機の「ドライコース」とは、ソフトな水洗いのこと。一方、クリーニング屋さんの「ドライクリーニング」は、基本的に水は使わず精製した有機溶剤で衣類を洗う。同じ「ドライ」という名前だからまぎらわしいけれど、両者は全然違うのだ。
ドライクリーニングのメリットは、衣類の繊維が変化しづらいこと。型崩れせず汚れを落とせるから、着物やビーズなどの飾りがついた服に向いている。なんとティッシュを1枚だけ洗ってもボロボロにならないからびっくり!
●ドライクリーニングでティッシュを洗ってみました!
ドライクリーニングの洗濯機。
ティッシュを入れる。
有機溶剤で1分ほど洗う。ぐるぐると回っていて、破れそうだけど…?
ティッシュが破れてない!
一弘さんの横にあるのは水洗いの洗濯機。衣類の色や素材に応じて3種類の洗剤を使い分けている。
[STEP3]
職人技の見せどころ「アイロン」
2台のアイロンとプレス機を使い分けて作業。家でまねできる裏技も!
アイロン台の下に隠れたバキュームが大活躍
アイロン台の下には衣類を吸いつかせるバキュームが隠れている。実はこれがきれいな仕上がりの秘訣だ。衣類を台に密着させることでアイロンがかけやすくなると同時に、バキュームが熱を吸って冷ますので、衣類がきれいな形のまま固定される。家庭でアイロンをかけるときは、このバキューム代わりに衣類の上からフーッと息を吹くだけでも仕上がりに違いが出るそう。
蒸気と電気の熱でかける電蒸アイロン。白いアイロン台の下にはバキュームがついている。
アイロン後、完全に蒸気が飛んでから行う袋がけ。機械にセットされたビニールを服の丈に合わせて引っ張り、ボタンを押してカットすれば完成。
編集部上野が「袋がけ」に挑戦!
SHOP DATA
クリーニングシマダ
住所/神宮前2-13-6
電話番号/03-3401-5902
営業時間/8時半〜19時(水のみ21時まで)
定休日/日、祝
Web/http://clshimada.fc2web.com/
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