神宮前二丁目新聞

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【第10号】神二の仕事人の流儀に迫る 「美容室Ozaka」のオーナー 尾坂 睦さん

 

トレードマークの白衣はプロとしての心構えの表れだった

 

鏡を見ながら作業する美容師にとって、お客さんの髪型の見やすさは、後ろに立つ自分の服によって変わる。黒髪が一番くっきり映えるのは、白。
尾坂さんが白衣を着始めたのは、まだ独立前の30歳のとき。独自のヘアカット技術を生み出した結果、それまで20分で終えていたカットが30分かかるようになってしまった。あれこれ考える中、ふと「もしかしてお客様の髪型が見えていないんじゃないか」と思い立ち、試しに白いYシャツを着てカットをしたところぴったり20分で収まった。「自分の腕を活かす環境をつくれるかどうか。それがプロとアマチュアの差だと実感した出来事でしたね」。
そんな尾坂さんだが、ピンチのときもあった。18年前、勤務先のオーナーとけんか別れして独立開業をしようとしたとき。当時は美容師ブームで新規店が急増し、どこを回っても物件がない時代。その日も不動産屋で「1年から2年待ちですね」と言われ、しょんぼり帰ろうとしたところ不動産屋の社長に「きみ、白衣を着た美容師じゃないか!」と呼び止められた。
その社長は、尾坂さんが働いていた店の前を通っていて、「白衣の美容師がいるな」と印象に残っていたという。わけを聞いた社長は「俺の知り合いが中華料理屋を辞めて、店が空いている。貸すか分からないけど話をしてやろう」と言ってくれた。そうしてオープンしたのが「美容室Ozaka」だ。「今も、その社長と大家さんには足を向けて寝られませんよ」と笑う尾坂さん。神二との縁を結んだのも、白衣がきっかけだったのだ。

尾坂さんが大切にしている10のこと

①自分の腕を活かすのは環境づくりから
②作業は手早く。お客様を待たせていいことは何もない
③好みで判断する仕事だからこそ自論だけで突き進むな
④ヘアスタイルは、ワインのように変化したときも美しく
⑤ヘアスタイルは、お客様と二人三脚でつくるもの
⑥掃除を丁寧に行う心は、シャンプーの腕に通ずる
⑦はっきりとした発声でお客様とコミュニケーション
⑧ヘアセットは整髪料を使わずブラシだけで仕上げる
⑨お客様との信頼を築き、紹介を中心に集客
⑩しっかり働きしっかり遊ぶ。年1回社員全員で海外へ!

 

SHOP DATA
美容室Ozaka
住所/神宮前2-19-10
電話番号/03-3401-3039

公開日: