神宮前二丁目新聞

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【8号】神二の仕事人の流儀に迫る 「粥麺楽屋 喜々」のマスター 佐々木洋介さん

取材・文=松村小悠夏 撮影=高草操


レコード事務所を立ち上げるはずがお粥専門店のオーナーになっていた元・宣伝マンの話

 サラリーマンから飲食店のオーナーへ。こんな経歴を聞くと、「きっと飲食店経営が長年の夢だったのだろう」と想像してしまうが、しかしこの人の場合は違う。外苑西通り沿いのお粥専門店「喜々」のオーナー・佐々木洋介さんだ。
 「僕は今でも、前の職業こそ天職だったと思ってます」。そう話す佐々木さんの前職とは、大手レコード会社の宣伝担当。当時の会社では初めて、アルバイトから社員に抜擢された佐々木さんは、日々新しい企画を考え、大勢の人と進める仕事に魅力を感じ、のめり込んだ。しかし35歳のとき、「自分の名前で仕事をしたい」と退社。そこへ友人から「知り合いが移動販売の店を辞めるので、車の処分に困ってる。お前何かやってみないか?」と声を掛けられた。
 ゆくゆくは個人名義のレコード事務所を立ち上げるつもりだったが、何だかおもしろそうだと、同じく休職中だった2人の仲間と、1日講習で食品衛生責任者の資格を取得。品川の港南口にお粥のキッチンカーを出店した。始めはカレーにする予定だったが、「お粥のほうが珍しい」という仲間の意見で路線変更。読みは当たり、数年後にはキッチンカーを続けながら、深夜0時から明け方5時まで知り合いの店を借りて営業を始める。そして2005年、神二に「喜々」をオープンした。
 それから12年。2人の仲間はそれぞれ帰郷し、今は佐々木さんが厨房に立ち、スタッフの指導もする。「別に、自分のお店を持つのが夢だったわけじゃないんですけどね」と言う佐々木さんだが、上海出身の知り合いに指導を求める一方で、国産の鶏や貝でダシを取るなど、おいしいお粥を研究し続けている。
 「料理が特別好きだったわけじゃないし、同じことをコツコツ続けるのも苦手。でも成りゆきで始める仕事もあるんですよ。そして始めたからには後退しないよう、日々学び続けることです」。これが佐々木さんの流儀だ。

SHOP DATA
粥麺楽屋 喜々
住所/神宮前2-6-6 
電話番号/03-5474-6691
メニュー/トムヤムクン粥(写真 900円)

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