神宮前二丁目新聞

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【創刊号】マンション「ビラ・セレーナ」管理組合理事長 伊藤健二さん

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取材・文=松村小悠夏 左ページ写真=小泉賢一郎

マンションの玄関先で
料理とビートルズを楽しむ夜が来ようとは。

私の勤務先は、ビラ・セレーナというマンションの一室にある。このマンションでは一年に一度、「ビラ・セレーナ祭」というご近所パーティーが開かれている。2014年10月、気持ちいい夜風が吹く中、通算7回目を迎えたこの祭りにおそるおそる初参戦した。
エントランスに出ると、20名ほどが料理の並んだ長机を囲んでいる。「あなた、セレーナの人なの?」と話しかけてくれたのは、ほろ酔い加減の理事長・伊藤さん。「これは“通りすがりの人でも参加OK”だからさ。ここに住んでない人も大勢来てるんだよ」。
しばらくすると、一人の男性がギターを抱えて現れた。「このお祭りの立役者と言えば、彼でしょ!」と、伊藤さんが拍手。男性の正体は、マンション内にあるデザイン事務所で働く菊地さん。「5年前にはじめて参加したとき、高校の時からギターをやってます、って話したんです。そしたら、“じゃあ弾いてよ”って自分のギターを持って来てくれた人がいて」。その場で演奏したところ、毎年BGM要員として駆り出されるはめになったという。この日のシメはビートルズの“Hey Jude”。私もまわりの人達に乗せられるようにして、手拍子に加わった。
一夜明ければ、挨拶程度しか関わり合わない、いつもの日常。でもすれ違うとき、「あっ、この間はどうも…」と、ふわっとした空気が流れるのを感じる。1年後の10月、またこの“ご近所さん”たちに会いたいなと思った。

P1040881お祭り当日、11時30分から16時30分まではフリマを開催。
売り物は本棚や椅子、携帯のイヤホンジャック、革小物、服とさまざま

P1040887ビラ・セレーナは、元祖デザイナーズマンションと呼ばれる“ビラ・シリーズ”の中で、
2番目に歴史が古い1971年建築。神宮前2-33-18

 

公開日:
最終更新日:2015/07/30