【第17号】神二の店探訪/もつ鍋 旦過
今年で10周年を迎える、北九州出身の大将の店
文・撮影=松村小悠夏
いつも神二の常連さんであふれる「もつ鍋・旦過」が、今年5月で10周年を迎える。店名は北九州市にある「旦過市場」から付けられた。44年前、大将の西村和行さんが飲食の世界に足を踏み入れた場所だ。
「19歳のとき、20席ほどの焼き鳥屋を始めたの。ちょうど結婚して子どもができたころでね。それまでは大学に通ってたんだけど、生活のためには稼がないといけないから、飲食の世界に入った。市場のメイン通りにあったから、集客に困ったことはあまり無かったな」。
店は軌道に乗り、39歳で店長を後任に譲った。その後西村さんが始めたのは、中古車の販売店。小学校の卒業文集に「レーサーになりたい」と書いたほど車が好きだったそうだ。販売店は息子さんが後を継ぎ、西村さんが再び飲食の世界に戻ったのは50歳。単身赴任で上京し、店を始めた。それが「旦過」だ。
もつやホルモンは九州にいる奥さんが現地で仕入れて、クール便で送ってくれる。安くてうまい焼き鳥も九州流で、「鶏皮50円」は西村さんが19歳のときの価格設定のままだ。節目の年を迎えた今、「早く引退したいよね」と笑いつつ、「でも、もう一つお店を持ってみたい気持ちもあるな」と言う西村さん。
「19歳のときから仕事がつらいと思ったことって無いんですよ。だって生活のためだから。それはうちのスタッフもきっと一緒。だから毎日閉店後は一緒にまかないを食べて、バカ話をするんです。それでまた明日も頑張れる。11年目からも、スタッフみんなで和気あいあいとやっていくのが目標です」。
もつ鍋(1,200円、1人前)。鉄鍋は職人による特注品。鉄が分厚いため保温性に優れている
九州産の焼酎が並ぶ
SHOP DATA
もつ鍋 旦過
住所/神宮前2-15-2
電話番号/03-6447-2324
営業時間/月〜金17:00〜24:00(L.O.23:30)土・日・祝日17:00〜23:00(L.O.22:30)
メニュー/生ビール550円、角ハイボール450円、枝豆400円、焼き鳥10本盛り合わせ1,480円、鶏の半身唐揚げ1,400円
公開日:
最終更新日:2020/02/28